~「健康にいい」はずのものが身体を壊す~

【何が正しいのか】
 多くのマスコミが氾濫し情報が飛び交う情報化社会。その中ではわれわれ自身がしっかりとした情報能力を持っていなければ、情報の洪水に押し流されてしまう。しかし、多くの人がその情報の膨大さに押され、受け身になってしまっているようだ。
 かつて、たんぱく質を豊富に含む卵は最高の食べ物と言われ、朝食には生卵、弁当には卵焼き、風邪をひけば卵酒を飲んだ。ところがコレステロールが話題になると、卵は急に敬遠されるようになってしまった。
 緑茶がタンニンを多く含むため、貧血になると言われたこともあった。しかし最近ではカテキンを含むため、ガンを抑制すると言われている・・・。
 いったい何が真実なのだろうか。情報があふれる現代はそんな真実が極めて見えにくくなっている。
 ひとついえる事は、日本のマスコミが真実の報道をできない状況にある、ということではないだろうか。


【ゆがめられた情報がまかり通る】
 テレビ、新聞、雑誌などマスコミには、スポンサーに支えられているため企業の悪口を言えないという事情がある。もし「食品添加物は体に悪い」と言ってしまえば業界から追放されてしまうだろう。だからマスコミは報道の自主規制をすることになる。結局マスコミはスポンサーがいるがゆえに真実の報道ができなくなっているのだ。
 そこへ政治家への政治献金、官僚の天下り、御用学者の癒着が関わってくる。企業と金で結ばれた政治家が、経済優先の政策を打ち出し、官僚が無責任な縦割り行政を推し進めてゆく。そして政治家や企業の言いなりになってしまう御用学者がいる。だからいつまでもゆがめられた情報がまかり通ることになる。


【自分の身は自分で守る】
 日本の食文化が荒廃したもうひとつの理由に、余剰生産された小麦や牛肉を日本に売りつけようというアメリカの狙いがあった、日本人に西洋医学や栄養学を教育することで食生活を欧米化し、小麦や牛肉の需要を増やそうとする作戦だった。だから給食にはパンが出たし、学校の授業では、「もっと動物性たんぱく質を食べましょう」と教えられてきた。
 また日本人もそんな西洋の医学や栄養学を何の疑いもなく鵜呑みにしてきてしまったことが、現在の閉塞した状況を作り出している。
 そんな危機的状況のなかでわれわれができることは「自分の身は自分で守る」ことだ。そのためにも歪められた情報に左右されない正しい知識と的確な判断力が求められる。


【牛乳は身体にいい】
 かくして日本ではさまざまなウソが真実として蔓延してしまった。
 食の因果ではそんなウソのひとつとして、「完全栄養食」「骨が強くなる」と言われる牛乳について、そのウソをさまざまな角度から検証してみたい。


牛乳に関するウソを検証する
【牛乳は北緯50度の栄養学だった】
 牛乳文化がヨーロッパにあって日本にないのは、日本とヨーロッパの気候の違いが関係している。日本列島とヨーロッパの都市を緯度で比べてみると、日本の関東で約35度なのに対し、パリ、ロンドンなどヨーロッパの主要都市はそれよりもはるか北、北緯50度付近にある。ヨーロッパが日本よりずっと寒冷なことがわかる。
 ヨーロッパの人々が肉食で乳製品を摂るのは、寒冷で土地がやせており、野菜が貴重品だったからだ。野菜の絶対量が少ないから、自然と野菜は生で食べ、不足分は肉と乳製品で補った。貧しい土壌では牛を放牧することぐらいしかできなかったのである。ヨーロッパの人々が肉は乳製品を摂るのは、それが「健康にいい」からではなく、貧しい土地ではそうするほかなかった。というのが実情だった。しかしそんな北緯50度で生まれた貧しい栄養学を日本の偽政者たちは鵜呑みにして、日本の食生活を変えてきてしまった。世界でも有数の穀倉地帯とよばれた豊かな日本の食文化を踏みじにってきたのだ。


【牛乳は日本人の食性に合わない】
 大人(成体)になってから”乳”を飲む動物はヒトしかいない。他の哺乳動物はどんな空腹であっても、成長してから”乳”を飲むことはない。 
 それは”乳”に含まれる乳糖を消化する消化酵素が赤ちゃんだけに備わっているからだ。授乳期を過ぎ、その動物が本来食べるものを食べるようになると、乳糖の消化酵素はなくなり乳が飲めなくなる。とくに温暖な気候に囲まれ、昔から豊富な野菜と海藻に恵まれていた日本人には牛乳を飲む必要がなかった。だから日本人の約八割は乳糖分解ができないといわれている。逆にヨーロッパの人々はそのほとんどが乳糖の消化酵素を持っており、これは寒冷で貧しい土地柄だからこそ備わった能力なのだろう。


【千坂式からみた牛乳とは】
 では『千坂式健康法』から見た牛乳とはどうなのだろうか。千坂式ではヒトと牛の成長速度に関係があるとみている。
 牛の赤ちゃんは生まれてすぐに立ち上がり、歩き出すが、ヒトの赤ちゃんは歩き出すまで、一年の歳月がかかる。牛とヒトとでは成長するスピードが明らかに違う。常に他の肉食動物の危険にさらされている牛にとって、生まれてすぐに歩けなくては、厳しい食物連鎖の中で生き抜いてはいけない。だから牛の乳には早く成長するためカルシウムが100ml中100mgも含まれている。だた食物連鎖の頂点に位置し、早く成長する必要のないヒトの乳はカルシウムが100ml中27mg。つまり、乳のカルシウム濃度はその動物の成長速度に対応しているのだ。それをただカルシウムが豊富だという理由で牛乳を飲もうというのはおかしいのではないだろうか。本来ヒトはヒトの乳を飲むように出来ているのであり、牛の乳をのむことは不自然だと考えたい。
 そんな牛乳を『千坂式因果表』では”陰性の酸性食品”に分類している。多量のカルシウムを含む牛乳は身体に急激な成長を促しても、内臓がその成長速度についてゆけず、その機能は未発達のままだ。だから牛乳には、内臓を弛緩させてしまう陰性の性質、動物性のたんぱく質が血液を汚してしまう酸性の性質があるとしている。


【野菜や海藻が骨を造る】
 牛が牧草だけで大きく丈夫な体をつくり、厳しい自然の中で生きていることを考えれば、骨は草(植物)でも造られるということだ。現代栄養学では骨を造るには骨そのものを、また骨の成分であるカルシウムそのものを取ればいい、と言って「牛乳を飲みなさい」「小魚を食べなさい」と言う。が、動物や魚の骨は6割がコンクリートの材料になる石灰でできているために、小魚を多く摂取すれば人間の筋肉は硬化してしまう。概してそんな人は難産やリュウマチなど、筋肉の硬化による病気になりやすくなる。もちろん牛乳に含まれる動物性のたんぱく質や脂質は、摂りすぎれば血管内に蓄積して様々な障害を生んでいくことになる。
 ところが野菜や海藻に含まれるカルシウムは土のなかのケイ素がもとになっている。ケイ素が大地に根を張った野菜や海藻に吸収されて、われわれの体内に取り込まれると、腸内の微生物が生み出す酵素によって分解され、カルシウムに変化する。これを生体における原子転換といい、人間は野菜や海藻でも十分にカルシウムが補える。だから日本人は無理して牛乳を飲む必要はないし、小魚を摂る必要もない。健康を考えるなら、原子転換を活かした害のない栄養分の摂取が賢い方法といえる。


【「カルシウム不足」と言われる理由】
 最近「日本人はカルシウム不足だ」と言われ、さまざまなサプリメントを摂っている人もいるだろう。いまやコンビニや薬局にはさまざまなカルシウム補助食品が並び、嗜好品感覚で食べられるものが多い。だが、そこには砂糖や合成甘味料が多く使われているのだ。うっかりしていると砂糖の摂りすぎで「カルシウム不足」になってしまう。最近では加工上の問題や経済上の問題から、さまざまな場所で砂糖や合成甘味料が使われている。まして、嗜好品感覚のカルシウム補助食品などは当然のように砂糖や合成甘味料が使われている。カルシウムという言葉にばかり気をとられ、その一方で大量の砂糖をとっていたという事実。経済優先の現代ではこういった落とし穴が少なくない。食に対する正しい知識がないままにテレビCMなどを鵜呑みにしていると、とんでもないことになってしまう。


【カルシム不足を上手に摂っていくために】
 そこでカルシウムなどの栄養素を害なく、効率よく摂取するとなると、玄米、菜食ということになる。たくさんの野菜や海藻を消化吸収するために、よく煮込んで繊維質を分解したり、玄米にあっては表皮のセルローズに豊富な栄養素が含まれているため、高圧で長時間炊き上げなくてはならない。だた忙しい現代にあって、それは大変難しくなっている。
 そんな状況に対応するため、千坂式では栄養補助食品の開発に取り組んでいる。


【牛乳とどう付き合うか】
 「完全栄養食品」、「骨が強くなる」と言われてきた牛乳。それが実にあやふやな情報だったということはお分かりいただけただろうか。
 しかし、いまや牛乳は日本の社会の一部になるほど大きな存在になっている。そんな牛乳とどう付き合っていけばよいのか。これは非常に難しい問題だ。ただひとつ言えることは、これまでの牛乳に関する情報があまりに偏ったものであったということだ。
 この飽食の字だ、お金さえあればどんな食材でも手に入る。そして一方では膨大な量の情報が氾濫している。そんななかで求められるのは、正しい情報を見極める判断力である。毎日の生活の中で人々がどれだけ食に対する意識をもって行動できるのか。日本の食がここまで荒廃してしまったのは消費者にも責任があるということだ。これからますます食材はあふれ、情報が錯綜する21世紀。そんな21世紀は消費者が賢くならなければならない時代だ。牛乳をはじめとるすさまざまな情報の錯綜は、そんな則の混迷を示唆するひとつの指標といえるのではないだろうか。


【千坂式が目指すもの】
 千坂式が目指す食生活改善の姿とは、それまでの玄米菜食ではなく、いまの時代拝啓に対応した新しい食のあり方というものを創造してゆことだ。さまざまな食品があふれ、情報が飛び交い、ヒトやモノが行き交う現代。そのなかで食生活をただすことの難しさは計り知れない。また多くの人が生活習慣病で苦しむ中で、西洋医学のような対症療法ではなかう、自己の免疫力を高め、病気に対する予防を心がけてゆくことが望まれる。そんな混沌とした社会の中でいかに食生活を整えてゆくのか、そんな命題に、『千坂式健康法』は挑みつづけてゆく。

夏季休業のお知らせ

2021年8月12日(木)~2021年8月16日(月)まで夏期休業とさせていただきます。 休業期間中に受付しましたお問合せ、メールにつきましては、2021年8月17日(火)より順次、対応させていただきます。 皆様にはご迷惑をお掛けしますが、何卒ご了承いただきますよう、宜しくお願い申し上げます。

「だっぴ」バックナンバーのご案内

会員のみなさま、最新の「だっぴ」73夏号はお手元に届きましたでしょうか?

今回は「だっぴ」のほか、創刊号~10号までのバックナンバーのご案内を同封してお届けしております。

バックナンバーの一部はこちら!

☆創刊号:2003年夏号【完売のため手作り冊子/200円】

●会員体験談

・ガンにはなったけれど、私には千坂式があります!/49歳/乳ガン手術と食事~退院~再発なし

・夫婦で難病に立ち向かいました/53歳、52歳、ご夫婦/特発性血小板減少性紫斑病、胃下垂

・千坂式という最高のものを、子供たちに伝えたい/41歳/子育て、湿疹、アトピー、高熱、痙攣、虚弱体質

緊急特集「SARS(コロナウイスル) VS 千坂式」

●創刊号特別企画「もうひとつのだっぴ」ミニ体験談集/尋常性乾癬、薬害、不妊症、アトピー、冷え性、骨折、卵巣炎と子宮筋腫、高血圧、疲れ知らず、甲状腺摘出術後、便秘

☆2号:2003年秋号【完売のため手作り冊子/200円】

●会員体験談

・運命を変えてくれた千坂式/44歳/ペルテス病、減塩、月経不順、冷え性、クリーニング反応、インプラント治療

・脳出血が食事を見直すきっかけをくれました/60歳/脳出血

●千坂式で動物性食品を食べる?/ラム(子羊肉)と豚レバーを徹底分析!ラム肉・豚レバーの調理法と中和法

●痛み・腫れ・炎症について/インプラント体験者の報告から

気になる内容はありましたか?

「だっぴ」は実践協会会員のみの販売です。

電話、FAX、お問い合わせフォームからお申し込みください!

最新号!会報誌「だっぴ」73夏号

最新号の「だっぴ」73夏号を本日より発送します。

間もなくお届けできますので、お楽しみに!

まずは73号の内容をダイジェストでチラ見せ。

気になる内容は是非!本誌をご覧くださいね~☆

☆☆☆73夏号ダイジェスト☆☆☆

□実践協会会長よりメッセージ:新型コロナウイルスワクチンを巡ってお伝えしておきたいこと

□会員体験談「違反だよ!でお互い思いやるベテラン販売店と実践者の深い絆」母(85歳)と娘(54歳)/肺気腫、人工透析、高血圧、2度の流産からの千坂メソッド実践で妊娠・出産(3人)、赤ちゃんと玄米ミルク

□病は食の過ちにあり 第五回目【目の病気 その二】網膜剥離、虚血性視神経症、眼内腫瘍、視神経炎、病的近視

□日記・新米ママのゆるゆる千坂メソッドで子育て:子供の成長期には陰性の力(伸びる性質)の活用も必要!、皮膚トラブルの対処法

□食べ物横丁【チョコレート 後編】良い効果を活かす方法、食べ方のポイント、体質と体温のおはなし、陰×酸だけではない控えたほうが良い理由

□千坂式体温の正しい測り方:1日3回、左右で体温を測りましょう

□千坂メソッドレシピ:キャロットポタージュ、きゅうりのパリパリ漬け・スーパーフードごはん、みそ団子

□おまけ:「だっぴ」バックナンバー(創刊号から10号まで)、掲載内容のご案内